主宰者(指揮者)ご挨拶


朝夕の寒さを急に感じるようになりました。皆様にはお元気でお過ごし でしょうか。私たちの中にも、この季節の変わり目に体調を崩す者が出 ています。どうぞくれぐれもお気をつけください。さて、例年お世話になって おります「栃木[蔵の街]音楽祭」ですが、本年も10月9日(土)にタリスの 《エレミアの哀歌》全曲を無事に演奏し終えることができました。限られた 練習と私たちの持つ実力の範疇で、どれだけ皆様の心に届く演奏ができた のかはなはだ心許ない限りではありますが、ともかくも全曲を歌い終え たときの静寂、その後にいただいたあたたかい拍手を聴いて、私たち一同 今年も栃木に来させていただいて幸せであったと痛感いたしました。その後、 当ホームページ宛てにも過分なご評価と励ましのメールを何通かいただいて おります。この場をお借りしまして、お聴きいただいた方々、お世話になった 方々皆様に感謝の意を表したいと思います。私たちは例によって演奏会後 の休養を2週間とったあと、10月24日から次なる目標、《ヨハネ受難曲》 に向けて練習に入りました。この頃の世上の様子を見てみますと、2000年 のバッハ没後250年という節目の年に向かって、さまざまな演奏会や企画が 発表されております。名前を聞いただけでも心が湧き躍るようなビッグネーム の来日も目白押しで、片時も目が離せません。そうした中で私たちが 《ヨハネ受難曲》を演奏することにどういう意義があるのか、これはかなり 難しい問題です。しかし、今までに恵まれた仲間たち、得難い共演者たち、 そしていつも見守ってくださるお客様のいずれもを大事にして、精神的にも 音楽的にもバランスの取れた状態に自分を保つこと、そこからおのずと引き 出される結果こそが最良であると信じております。いよいよ後4ヶ月、できる 限りの練習と準備を行って本番を迎えたいと思います。どうぞ皆様には 引き続きのご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。それでは、 当ホームページをごゆっくりお楽しみください。


1999年10月15日
スコラ・カントールム代表
野中  裕


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