主宰者(指揮者)ご挨拶


暑い日が続きます。当団は創設以来、大体8月いっぱいを夏休みと する習慣があります(夏に演奏会を持った年はもちろん例外ですが)。 真夏の日中や夕立の最中に無理をして出てきて効率の悪い練習を するよりも、旅行などして気分をリフレッシュしてもらったほうがよい、 という判断からのことなのですが、団員たちはそれぞれ思い思いの 夏を過ごしているようです。こう書きますと、おまえたちは演奏会が 終わったと言っては休暇に入り、暑いと言っては練習を休み、一体 真面目に練習しているのかというお叱りの声も聞こえてきそうです。 しかし、何事に依らず無理は禁物と申します。人間の声、という最も デリケートな楽器を武器として活動する以上、体と精神の酷使は百害 あって一利なしです。古い中国の諺に「守成は創業よりも難し」という 言葉がありますが、われわれが活動を始めた頃に比べて、皆一様に 十年の歳月を重ねているわけですから、その時の一気呵成な精神状 態をそのまま「守成」の現在に当てはめるのは、やはり難しいわけです。 精神的に老け込まず、体力的に無理をせず、これが十年目を迎えたわれ われの、偽らざる気持ちです。練習は、8月28日に再開されます。 「栃木[蔵の街]音楽祭」に向けての再始動です。また栃木でお会いする 日まで、当ホームページでごゆっくりお楽しみください。


1999年8月
スコラ・カントールム代表
野中  裕


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