主宰者(指揮者)ご挨拶


3月20日は快晴ながら強風の吹き荒れる、決して好天とはいえない日となりまし た。 それにもかかわらず、王子ホールは満員御礼。本当にありがとうございました。当 日の 演奏については、さまざまな方からご感想を頂戴しました。そのほとんどが暖かい 激励 に満ちたもので、団員一同深く感謝申し上げております。当日お集まりくださった お客 様に対して説得力のある演奏にしたい、これが一番の大きな目標でした。どれだけ この 目標が達成できたのかはこれから録音を聞くなどして反省していかねばならないこ とで すが、《ヨハネ受難曲》最後のコラールが響き終わった瞬間の手応えには、確かな ものが ありました。共演してくださった皆様と団員ひとりひとりに、心からの感謝を捧げ たいと 思います。

私たちは演奏会後恒例のオフに入り、4月中旬まで充電いたします。そ の間、 2001年3月24日(土)の第10回定期演奏会に向けて、構想と選曲を練って まいります。 バッハの大曲を演奏し終えた今、この合唱団の音質や目指す方向性が創立当時とか な り変わったものになってきていることは事実です。しかし、私たちは団員数の多少 や選曲 にかかわらず、常に「努力して、緻密に音楽を創り上げる」という姿勢だけは失い たくないと 考えます。この件では、団員の中からも「バッハを演奏したことで、失われた当団 の特質 があまりにも大きいのではないか」という問題提起がなされています。これは非常 に重大 なことです。この一年間、もう一度初心に還り、「今だからできること」「今しか できないこと」 「今考え直さねばならないこと」を、冷静にとらえていきたいと思います。具体的 に言えば、 フランドル楽派のポリフォニー楽曲を、30人規模の合唱団が精緻に演奏するには どうすれ ばよいのか、を試行錯誤しながら考えて行くつもりです。

「温故知新」となる20 00年のスコ ラ・カントールムの活動に、是非皆様のご理解とご助言をお願い申し上げます。そ れでは、 当ホームページをごゆっくりお楽しみください。


2000年3月25日
スコラ・カントールム代表
野中  裕


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