主宰者(指揮者)ご挨拶


皆様、連休はいかがお過ごしだったでしょうか。今年は何といっても バッハ・イヤーの2000年、私は3月の演奏会が終了した直後からバッハ 関係のいろいろな執筆の仕事が入り、4月はそれに忙殺されておりました。 ホームページのご挨拶の更新が遅れましたのもそのためです(言い訳は したくないと思いながらも、ついつい言い訳をしてしまいました)。何とか 4月中に一通りの仕事をあげ、連休は久々にのんびりとして過ごしました。 しかし、その間に起こった17歳の少年によるふたつの凶悪犯罪には呆然とし、 震撼させられ、そして考え込まされました。私事ですが、今私が勤務先で 教えているのも、今回の犯人と同じ17歳の少年たちです。彼らの屈託のない 笑顔を見ていると、こうした事件が起きたことそのものが、どうしても信じられ なくなってきます。誰でもいくばくかは心の闇を抱えて生きて行かねばならない のでしょうが、それがどうしてこのような理不尽な事件にまでなってしまうのか。 考えれば考えるほど、その根本にあるものは深く、われわれの無力さを感じ ざるを得ません。このホームページはプロパガンダの場ではありませんから、 特に私の意見を表明したりするものではありません。私に出来ることは、 日々の教育者としての仕事に誠意を尽くすことと、音楽を愛するものとして、 真摯にそれに取り組むことだと考えています。ようやく、次回定期演奏会の 構想も固まりました。少しでも成長しようとする姿勢を保つ、それが私たち に出来るたったひとつのことであり、私たち大人、そして父や母が真剣に 紡ぎ出す音楽を聴くことによって、そして自ら演奏することによって 心豊かな青少年が育っていくのを念じるのみです。今回は少ししんみり とした話になってしまいました。お許しください。それではごゆっくり当 ホームページをお楽しみください。

2000年5月
スコラ・カントールム代表
野中 裕


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