主宰者(指揮者)ご挨拶


9月を迎えましたが、東京は厳しい残暑が続いています。皆様お元気で お過ごしでしょうか。私たちは、10月8日の「栃木[蔵の街]音楽祭」に向 けて練習を再開しました。モンテヴェルディ2曲とジェズアルド、クレメンス ・ノン・パパ各1曲、という構成ですが、お聴きくださる方々に楽しんでいただ けるよう、最後の追い込みに余念がありません。どうぞご期待ください。 さて新聞やテレビなどの報道でご承知のとおり、私の務めております東京 都立秋川高等学校に、三宅島の児童・生徒・教員約400名が避難して 来られました。8月後半以降、私を含む秋川高校の職員は総出で受け入れ 準備にあたりましたが、何分来年の閉校を控えて全て片づける方向でいた なかでのこと、行き届かない点が多々ありました。しかし、三宅島の方々は 「体育館での雑魚寝、非常食の日々に比べればここは天国のようです」と おっしゃってくださいます。災害を背にした生活の厳しさが如実に伝わって きて、襟を正すと同時に受け入れの苦労も報われたという感を強く致しまし た。こうしたときに1曲の音楽が心を癒す存在となることは重々承知してい ますが、今避難してきた方々はこれからの生活をどうするのか、明日からの 学校の授業はきちんとできるのか、といったことで混乱の中奮闘していらっ しゃいます。スコラ・カントールムとしても、主宰者の勤務先の話ですから全くの 他人事ではないのですが、混乱時にあまり差し出がましい真似をすると現場 が困るすることを、私は今回実地に学びました。従って、慰問演奏のような計 画は立てておりません。今は心静かに、一日も早い三宅島の火山鎮火と、 現地の復興を祈り、日々の勤務の中で出来るだけのお手伝いをしていこうと 思っています。現在の私は忙しくないと言えば嘘になりますが、それを言い訳 にせず、スコラ・カントールムの活動も以前と変わらぬように進めてまいります。 どうぞ皆様のご支援をお願い申し上げます。また、「言い訳しない」と言ってお きながら恐縮ですが、こうした一連の非常事態によって、ホームページの更新 が著しく遅れ、新しい企画も、構想が立ち上がりながらもなかなか実現に至って いないことをお詫び申し上げます。それでは、当ホームページをごゆっくりお楽 しみください。

2000年9月9日
スコラ・カントールム代表
野中 裕


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