皆様、合唱団スコラ・カントールムのホームページにようこそおいでくださいました。この夏、当団は得難い経験をさせていただくことになりました。すでに「コンサートのお知らせ・今後の活動予定など」のページでもご案内したように、「レザール・フロリサン」の音楽監督、ウィリアム・クリスティ氏のワークショップを受講することになったのです。8月27日火曜日、初台の東京オペラシティリサイタルホールにおいて、公開マスタークラス合唱部門の指導を受けます。
このワークショップ企画に私たちが参加させていただくことができたのは、クリスティ氏を招聘した音楽事務所「アスペン」の方々、そして当団をご推薦いただいた要路の方々のご配慮のおかげです。ご承知の通り私たちは10月に2週連続で本番の舞台に立つ、という例年にない強行スケジュールを立てています。その中で、短い時間で団員全員が受講曲を理解し、まとめていくことは不可能に思われましたし、またその練習に費やす時間も厳しいものがあります。またアマチュア合唱団としては平日夜に全員が集合するのも大変に困難なことです。そうした事情から最初は辞退させていただくことも考えたのですが、「アスペン」でこの企画を担当されているK様の熱意、そして「アスペン」の皆様のご理解を頂戴しまして、各パート4名ずつ、16名での参加が決まったのです。これくらいの人数であれば数回の練習で何とか曲を仕上げて臨むことができますし、当日の集合時間にもある程度融通が効きます。アマチュアの活動で大きな制約となるのが、「平日に本番を組むことがとても難しい」点です。今までにも、せっかくのありがたいオファーをいただきながら平日ということで涙を飲んだことがあるのですが、今回は出演をお願いした団員が皆快く都合をつけてくれたので、事務作業は比較的楽に終わりました。やはり世界的に有名な指揮者の指導が直接受けられる、ということでかなり無理をしてでも下稽古と当日の日程を空けてくれたようです。ありがたいことだと思います。
現在28名を数える団員の中から16人を選抜することは、私にとっては大変につらい作業でした。スコラ・カントールムでは、今までにメンバーを限定して演奏会を行ったことは一度もありません。もちろん団員からソロを出すことはありますが、演奏会本体に対して「今回の定員は20名」などのように人数を区切って、出演できない団員を出したことはないのです。これは私の合唱団運営上のポリシーとお考えいただいて差し支えありません。多少パートバランスが悪くなっても、少人数で歌った方がうまくいくと考えられる選曲の時も、私は団員を選抜するという方法を採らず、「とにかく全員で乗る。不利な点は練習でカバーする。」という方針を貫いてきました。ひとりひとりが、貴重な休暇と決して安くはないお金を払い、本番の成功を目指して日々頑張っていることを考えれば、甘いと言われてもこの方針を変えることは考えられないのです。
しかし今回は自主的な公演とわけが違います。つらい作業ではありましたが、毅然として受講者を決めました。受講者たちは、きっと舞台に乗れなかった団員の分まで、クリスティ氏の指導を貪欲に吸収してくれると期待しています。また選抜されなかった団員たちも、多くは聴講者として耳を傾ける予定です。このホームページをご覧の皆様も、貴重なワークショップに是非ご来場いただければと思います。当日は18:30開演で、前半にはバッハ・コレギウム・ジャパンなどで活躍する上杉清仁(カウンターテノール)、懸田奈緒子・野々下由香里(ソプラノ)の皆さんがソロの部を受講されます。どうぞお誘い合わせの上お出でください。詳細は「コンサートのお知らせ・今後の活動予定など」のページをご覧いただければ幸いです。
それでは、まだまだ暑い日が続きます。どうぞお体を大切にお過ごしください。