主宰者(指揮者)ご挨拶


しばらく更新が出来ずにいる間に、当ホームページのアクセス数が15000を越えました。スコラ・カントールムをご声援いただく皆様のおかげと感謝しております。URLの変更等があって皆様にご迷惑をお掛けしたこともありますが、開設以来大きな事故もなく続けられたことを、私としても本当に嬉しく思っております。

俗に「創業と守成といづれか難き。曰く守成。」などと言いますが、守るということばかりに頭が行きすぎるとマンネリを生じ、活動を停滞させるのは今更言うまでもありません。守成の中に適当な創業をほどよくはめ込み、精神をリフレッシュさせながら活動自体はしっかり定期的に固めていく、というのが理想的な姿なのでしょう。これが言うほど簡単でないことも周知の通りです。ホームページの運営にしても、前任者の丹羽くんから引き継いだときはかなりの緊張感を持って臨んでいたのですが、最近はどうも無理が利かなくなりました。無理は無駄を生じさせ、結果的には損となるものです。だから鷹揚に構え、本来の言葉の意味通りの「良い加減」にすればいいのだと思いますが、そこに意地のようなものが働いてきますから厄介です。やはり1週間に一度は更新しよう、という意地がこみ上げる。しかし「まずは指揮者として練習の準備が大前提、そちらを優先しなければ」などと自分に言い訳をしては、一日延ばしに更新を遅らせていってしまう。情けないですが、それが実態であります。内容の薄い記事ばかり書き連ねても意味がありませんから、このような「ある時払いの催促なし」のような更新を続けるしかありません。皆様のご寛恕をひたすら乞うばかりです。

練習のほうは、そうはいきません。本番の時は冷酷に迫り来て、待ってはくれません。団員も気合いが入ったのでしょうか、年が明けてからの練習は見違えるように生き生きとした、具体的なイメージを表出する力を持った音が鳴るようになりました。何より嬉しいのは、ひとつの曲を作り上げるに際して団員が自分の意見を忌憚なく言ってくれるようになったことです。私の解釈が固まってきたこととの相乗効果でしょうか、練習がにわかに活気を帯びてきました。こうした瞬間が、音楽監督(などというと偉そうでいけませんが)として最高に幸せな瞬間です。もちろん技術的に未熟な点は多く、本番でどれだけ皆様に訴えかける力のある演奏ができるか、常に心配です。しかし、音楽を作り上げるという一点においては、誰もが真剣であり、誰もが主体的であり、誰もが遠慮をしないことが最も尊重されてしかるべきである、と私は常々思ってきました。特にアマチュアの場合、それこそがレゾン・デートルであるといっても過言ではありません。今の練習の活気をそのまま本番に持ち込み、当日は私たちの持てる力を出し切った演奏になるように努めたいと思います。

今回は、20世紀を代表する作曲家シェーンベルクの音楽を取り上げます。ルネサンス・バロックの宗教曲を主体として活動してきたスコラ・カントールムにとっては意外な取り合わせということで、皆様から驚きと期待の声を多くいただいております。確かに、意識してプログラムを組んだ部分はあります。しかしコンセプトだけが先行して音楽が未熟であれば、レコードコンサートを企画した方がましだった、ということにもなりかねません。あと1ヶ月、最後の最後まで真摯に練習を積み重ねて参ります。3月14日には、どうか皆様お誘い合わせの上、武蔵野市民文化会館に足をお運びください。

私の勤務先では、インフルエンザが一段落ついたと思ったら、今度は肺炎が流行っています。皆様、お体にはくれぐれもご注意を。それでは、当ホームページをごゆっくりお楽しみください。


2004年2月17日
スコラ・カントールム代表
野中  裕


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