主宰者(指揮者)ご挨拶


大変久々の更新となりました。この間当ホームページにお出でいただいた皆様は、一体どうなってしまったのだろう、合唱団に何かあったのではないか、とご心配される向きもおありだったのではないでしょうか。合唱団に変わったことはなく、練習も例年通り続けて夏休みを迎えました。更新できなかった理由は二つで、一つはいつもながらの私の怠惰です。今年度に入ってから、校務は一層激しさを増してまいりました。帰宅してからこのホームページ用に文章をしたためるという気力が全く湧いてこないほど疲れていた、というのが事実です。今までも1ヶ月、2ヶ月と更新が滞ることはよくあったのですが、さすがに今回ほど長く更新できなかったのは2003年に突発性難聴を患ったとき以来のことで、何ともお詫びのしようがありません。

もう一つは、今年度の活動の大きな柱となる、第19回定期演奏会の客演の皆様を確定する必要があったことです。細かな訂正が望めない生活環境にありましたので、なるべくきちんとした形で、まとめて情報を掲載しようと腹をくくったわけです。実は来年3月には東京近郊で古楽の大きな演奏会が相次いでおり、リハーサルの日程も含めて流動的な部分が多く、なかなか活動を確定するに至りませんでした。夏を迎え、様々な方々のご尽力をもちまして、客演の皆様がすべて正式に決定致しました。本日、その情報をこちらにアップしましたので、是非ご覧いただきたいと存じます。今回もコンサートマスターに桐山建志さん、通奏低音のオルガンには今井奈緒子さん、というおなじみのメンバーをお迎えするほか、若手の意欲あふれる皆様を多くお迎えしました。

私たち合唱団だけで演奏会を開く場合はよいのですが、客演をお呼びするとなると、その確保だけでも大変な労力が必要となります。とても私一人で交渉できるほど簡単ではなく、何人もの方々のお手を煩わせました。その中でも特に、弦楽器奏者・金管楽器奏者については、コンサートマスターの桐山建志さんに頼り切り、オーボエとファゴットは三宮正満さんの大変なご尽力でメンバーをご推薦いただきました。日本を代表する名手の皆様によって期待の若手をご紹介いただき、ともに稀代の名曲「ミサ曲ロ短調」に挑むことが出来る、というのは、本当に幸せなことです。この場を使って恐縮な限りですが、心からお礼を申し上げます。

私が19年半前、10名ほどでこの合唱団をスタートさせたとき、音楽のプロでもない自分が「ミサ曲ロ短調」を指揮することになるとは、夢にも思っていませんでした。ちょうど20年前の今、私は教員採用試験の勉強に一区切り付けて、「ミサ曲ロ短調」の練習の追い込みにかかっていたのです。私が今までにこの曲を歌ったのはこの時が最初で最後、早稲田大学・日本女子大学室内合唱団の創立30周年記念演奏会でした。その難しさは言語に絶するほどで、本番の日をあれだけ不安に迎えたのは初めてのことでした。あれから20年、室内合唱団は50周年の区切りを迎え、またもう一度「ミサ曲ロ短調」に挑戦します。その記念すべき演奏会に、私はOBとして出演を許されました。本当にありがたいことです。指揮者は鈴木仁先生から青木洋也先生に代わり、一緒に歌う仲間はそろそろ自分の子供と言ってもおかしくないような若い世代ですが、練習しているとき、私の心はいつもあの若き夏の日に帰っていくのです。その上来年には20年かけて共に歩いてきた仲間達と一緒に作り上げた「ミサ曲ロ短調」を皆様に聴いていただける。過ぎた幸せだと思います。

さて今年度にはもう一つ大きな企画があります。久々に、楽しい「クリスマスコンサート」を行うことに致しました。しかも場所を変えて2週連続公演を打つことになったのです。これについてはまた詳しくお伝え致しますが、公演日は12月13日日曜日・早稲田奉仕園スコットホールと、12月20日日曜日・清瀬みぎわ教会。前半はルネサンスの美しいクリスマス曲プラス今井奈緒子さんによるオルガンのステージ、後半はヤン・ピーターゾン・スウェーリンクのクリスマス曲を特集する予定です。どうぞご期待ください。

では、当てにはならない決意かも知れませんが、今後はもう少しこまめに更新することをお約束してこの駄文を閉じたいと思います。皆様とまた演奏会でお目にかかる日を楽しみにしております。


2009年8月21日
スコラ・カントールム代表
野中  裕


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