主宰者(指揮者)ご挨拶


あけましておめでとうございます。
昨年は3月の定期演奏会、12月の2週連続クリスマス・コンサート、と大変充実した活動をすることができ、団員一同感謝しております。活動というのは、企画し、目標を持ってそれをやり遂げるところに大きな喜びを見いだすものではありますが、音楽を奏でる以上、厳に自己満足をいさめなければなりません。音楽そのもの、作品そのものへの敬愛と畏怖、聴いていただく皆様に対する責任、これはプロ・アマチュア問わずいつも意識していなければならないことだろうと思います。自分たちの力を常に高め、少しでも完成度を上げていこうとする姿勢がある限り、合唱団の活力は保たれるのだと思います。

昨年の演奏会も、おそらく演奏として反省しなければならないところはたくさんあるでしょう。しかし、ありがたいことに団員の意識は今のところ高く保たれているようで、それが演奏会の雰囲気として伝わったことだけは確信できます。結成から20年も経ちますと、団員の生活にもそれぞれの変化があり、なかなか練習の密度を上げていくのが難しいのですが、そんな中でよく、このような未熟な主宰者についてきてくれるものだ、と心からの感謝を禁じ得ません。もちろんそれは、今回のクリスマス・コンサートでお世話になった今井奈緒子さんをはじめとする、客演の皆様に対しても同じです。

ただいま申し述べましたように、当団はこの1月をもって結成20年を迎えました。私たちはアマチュアの微力な合唱団でしかありませんが、それでも多くの方のご支援を頂戴して、20年という歳月を休むことなく走り続けてこられた、というのは本当に夢のような話です。私自身、この合唱団を結成した当初は「新しく始めたものが最初からうまくいくはずはない、何回か分解と組立を繰り返して、3年後には演奏会を開けるような団体になろう」と思っておりました。それが思っても見なかったことに、結成2年で初めての演奏会を開催し、今までに年に1回の定期演奏会を18回、特別演奏会を7回、合計25回の自主公演を開くことができたのです。この20年間にお世話になったすべての皆様に、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

第19回目となる本年3月7日の定期演奏会は、多少アニヴァーサリー的な意味を込めまして、ヨハン・セバスティアン・バッハ畢生の大作、《ミサ曲ロ短調》に挑むことになっております。この曲の複雑さ、難度の高さは筆舌に尽くしがたく、練習ではこれから2ヶ月の間相当なストレスがかかるものと思います。しかし、今の団員たちのモチベーションと素晴らしい客演の皆様の力をもってすれば、おそらく、当日お越しいただいた皆様に何かをお伝えできるステージになると思います。どうぞ倍旧のご支援を賜りますよう、心からお願い申し上げます。では、本年が皆様にとって幸せに満ちた年でありますようにお祈り申し上げて、今年最初のご挨拶と致します。


2010年1月3日
スコラ・カントールム代表
野中  裕


このページのトップに戻る