主宰者(指揮者)ご挨拶


早いもので、今年も師走となりました。教員という仕事に就いて21年目の今年も、文字通り仕事に忙殺される毎日が続いております。そんな中、12日日曜日の「国際基督教大学クリスマス・コンサート」が目前に近づいてまいりました。いよいよ今週末からは会場となる国際基督教大学チャペルを使用させていただいてのリハーサルが始まります。波多野さん・今井さんという当代一流の演奏家との共演に向けて、いよいよ正念場を迎えるわけで、今から身の引き締まる思いです。私がこのチャペルで歌った経験は、教員になる前の学生の時ですから、すでに23年も前のことになります。空には雪が舞い、本番前にはかなり積もっていたのを、今もはっきりと思い出すことができます。相当な寒さの中、合唱団は通路を通ってチャペルへと向かうのですが、女性はミサドレスが舞台衣装だったため、全員ノースリーブ。皆凍えそうな表情をしていたのも、今となっては懐かしい思い出です。その少し前、高校2年生の時だったでしょうか、私はオルガン連続演奏会に登場してレーガー・オルガンを弾く鈴木雅明氏に初めて出会っているのです。このところ、つらつらとそのようなことを思い出しながら、23年ぶりに演奏するチャペルの響きを頭に思いめぐらしております。

今回のステージでは、銘器レーガー・オルガンの響きを十分にお楽しみいただくことも考慮に入れてプログラムを組んであります。しかし第2ステージでは、わずか2曲ではありますが、私たちのア・カペラによる世界もご披露致します。ともにジョヴァンニ・ガブリエリのクリスマス用モテトゥスですが、最初にお届けする「今日キリスト生まれぬ」は二重合唱による華麗な歌い交わしが魅力的であるのに対し、2曲目の「祝福されし処女マリア」は6声の静謐な対位法による曲で、ガブリエリの異なる2つの世界を堪能していただけるものと思います。

今井さんによるオルガン前奏も、ヨハン・セバスティアン・バッハの「いざ来れ、異邦人の救い主よ」"Nun komm, der Heiden Heiland"BWV659に決まり、準備は万端整いました。決定したプログラムは、「コンサートのお知らせ・今後の活動予定など」に掲載してありますので、どうぞご覧ください。当日一人でも多くの皆様がお出かけくださいますよう、団員一同お待ちしております。

最後に私事で恐縮ですが、11月25日に春秋社から初の単著となる「カール・リヒター論」を発刊致しました。このことに関する情報は、近日中にこのホームページでもその一部をお伝えする予定でおります。書店でお見かけの際は手にとってご覧いただければ、と思います。そしてご興味がわかれましたら、是非ともご一読くださり、忌憚のないご意見を賜れれば幸いでございます。


2010年12月2日
スコラ・カントールム代表
野中  裕


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