主宰者(指揮者)ご挨拶


4ヶ月ぶりのご挨拶となりました。いつもながらの怠慢をお詫び申し上げます。もちろんこの間何もしていなかったわけではなく、例によって公務に追われていたわけですが、スコラ・カントールムでの仕事もしっかりとしていたつもりです。今年度も新しい仲間を何人か加えることもでき、また新たな気分で練習をスタートすることができました。皆様に現状をお伝えしなければと思いながら、月日だけが矢のように過ぎてしまっていたわけです。

第23回定期演奏会の演目が、バッハの「マタイ受難曲」に決定したということは以前からお知らせしているとおりです。公演を約1年前に控えて、その詳細が少しずつ決まってきました。演奏会の時期は2014年7月上旬の土曜または日曜です。もうしばらくしましたら、会場などのさらに正確な情報がお伝えできると思います。

ご承知の通り、「マタイ受難曲」は2群の合唱体と合奏体を必要とし、上演に3時間以上を要する、桁外れに深淵雄大な音楽です。しかもそこに含まれる巨大な内容は「人間存在を究極的に問い直していく姿勢」に満ちております。非力な私の手に負える音楽ではないのかもしれません。しかし今から30年以上前にこの曲と出会ったとき以来、いつかはこの曲を演奏してみたい、どんなに未熟な私でも、少しだけでもこの作品に迫ってみたいという思いは消えたことがありませんでした。幸いなことに、今の私には約四半世紀をともにした愛着のある合唱団と、何回も共演を重ねてくださった素晴らしい客演の皆様がいらっしゃいます。また、この曲の要となる福音史家には実力者の谷口洋介さん、イエスには13年ぶりに小原浄二さんをお迎えすることができました。今だからこそ演奏できる曲として、「マタイ受難曲」以上の曲はない、としみじみ思います。

本日までに決まった客演の皆様については、「コンサートのお知らせ・チケット購入」のコーナーでご紹介しております。どうぞご覧ください。意欲に燃える合唱団と、このように豪華な客演の皆様とご一緒に「マタイ」を作っていくことができる。この幸せを噛みしめながら、日々の練習に励もうと思います。では、詳細の発表までもうしばらくお待ちください。そして演奏会の当日には、是非足をお運びくださいますようお願い申し上げます。


2013年6月29日
スコラ・カントールム代表
野中  裕


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