主宰者(指揮者)ご挨拶


あけましておめでとうございます。皆様新年をいかがお迎えでしょうか。私は11月に引いた風邪がなかなか抜けきらず、熱を出しては薬で下げて、という生活を繰り返しております。何とも情け無い話ですが、己の加齢を認めざるを得ません。皆様から「マタイが終わってしまったことでがっくりきているのではないですか?」(あるいは最近流行の言い方をして「マタロスですか?」)というお問い合わせをいただくことが大変に多くなっておりますが、私自身の気持ちの在り方としては、そのようなことはありません。もちろん生涯の目標であった大曲を納得のいく形で演奏できたことは、終生忘れられない感激です。しかし、合唱団スコラ・カントールムの歴史が「マタイ」で終わってしまうわけではありませんし、むしろ「大曲の翌年」こそが正念場であることは私を含め、団員全員の痛感するところです。来るべき7月18日に向けて、油断なく準備を進めていこうと思います。幸い、熱心な団員の協力もあって演奏会チラシももうすぐ完成します。ルネサンス期宗教曲・メンデルスゾーン・デュリュフレによるオール・ア・カペラ・プログラム、というマニアックな企画ではありますが、一人でも多くの方に現在のスコラ・カントールムをお聴きいただくべく、集客の面でも頑張っていこうと思います。

合唱団スコラ・カントールムは、この1月13日に創立満25年の日を迎えます。遅々とした歩みではありましたが、これほどまでに皆様方からの御支援御指導をいただいた合唱団は探してもあまりないであろう、われわれは本当に恵まれた合唱団なのだ、という思いを強く致します。とりわけ、若かった私を辛抱強く指導し、受け入れてくださった多くの方々には、お一人お一人にお会いして御礼を申し述べたいと思うこと切であります。私はあくまでも一介のアマチュアとして音楽に関わる者ではありますが、そんな私に分け隔てなく接してくださった音楽家の皆さんの存在がなければ、スコラ・カントールムは25年もの月日を無事に送ることなどできませんでした。こうして年賀状の季節を迎えると、懐かしい皆様の近況がわかり、思わず微笑むことも多くあります。

そして今までスコラ・カントールムで歌ってくださった団員の皆さん、本当にありがとうございます。25年のあいだに当団に在籍した方は、約100名になりました。当団は原則として団員の公募をしておりませんので、出会った方々すべてが何らかのご縁でつながっており、何らかの必然性をもってこの合唱団の扉をたたいたことになります。そのこと自体が「巡り合わせ」の奇しき縁であったことは、論を俟ちません。

第24回定期演奏会には、昨年末に新たに入団した者を含め、32名の団員で望む予定です。パートによって人数の多寡がありますが、平均して1パート4名で二重合唱ができる状態、というのは相当恵まれていると思います。今いる団員たちとのさらなる一体感を醸成し、今しか実現できないスコラ・カントールムの音楽を愚直に追究していこうと思います。どうぞ本年もさらなる御指導御鞭撻のほど、お願い申し上げます。


2015年1月1日
スコラ・カントールム代表
野中  裕

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