主宰者(指揮者)ご挨拶


皆様、あけましておめでとうございます。新年早々私事で誠に申し訳ありませんが、今年の9月に50歳の節目を迎えることになりました。来るべきものが来たという感覚でしかないのではありますが、昨年当団が創立満25周年を迎えたことと重ね合わせて、いささか感慨を覚えざるを得ません。肉体的にも精神的にも老け込まずに、これからも精進して参りたいと思います。

さて27年目となる合唱団スコラ・カントールムの活動ですが、例年にも増して盛りだくさんな内容となりました。新年とともに皆様にその概要をお知らせできることを大変に嬉しく思います。最初に恒例の定期演奏会ですが、こちらは以前からお知らせしておりますとおり、7月10日(日)に川口リリア音楽ホールにて行われます。定期演奏会も回を重ねて今回が25回目の節目となりました。すでにチラシをご覧になった方もいらっしゃるかとは思いますが、そこに掲載されている私の御挨拶を、以下に再掲させていただきます。

「私たちは創設以来、『古楽合唱団』であることを自認して参りました。このことは今でも変わりませんし、今後も変わることはないでしょう。しかしそれは、レパートリーを必ず古楽に限定するという意味ではありません。メンデルスゾーンとブラームスは明らかにバッハの影響下にあり、フォーレとデュリュフレは古楽復興、とりわけグレゴリオ聖歌の影響のもとに活動していました。こうした作曲家の名品は、私たちの目指した音楽へのアプローチにぴたりと合致する内容を持っています。時を超えて、15世紀のフランドルと20世紀のフランス・スペインを一挙に繋ぐという今回のプログラムは、奇抜さを狙ったものではなく、ある種必然であると申せましょう。そして何より、これらが団員によって選ばれた、団員の愛する曲たちであることが、私にとっては最大の魅力なのです。」

今年はこれ以外に、さらに2回の演奏機会に恵まれました。まず10月2日(日)に府中の森芸術劇場ウィーンホールで行われる、ヘンデル『メサイア』演奏会への出演が決定しました。これは私を合唱指揮の道に誘う決定的な影響を及ぼした佐藤雄一さんが、彼を慕って集まるアマチュア・オーケストラを指揮して行う演奏会です。私は若い頃、佐藤さんの指揮する合唱団「コレギウム・ヴォカーレ東京」に所属し、数え切れないほど多くのことを学ばせていただきました。佐藤さんの存在なくして現在の私はあり得ません。今回、当団を中心に「コレギウム・ヴォカーレ東京」の元メンバーも参加した合唱団を編成し、私が合唱指導を担当して『メサイア』にチャレンジすることとなりました。このことについてはまたお話しさせていただくこととなりますが、尊敬する佐藤さんの指揮で、私が四半世紀以上手がけた合唱団との共演がかなうとは、何と幸せな巡り合わせであろうかと思います。

そして最後は12月10日(土)です。2010年以来6年ぶりに、国際基督教大学宗教音楽センター主催の「クリスマス・コンサート」に出演させていただくことになりました。私たちのような小さなアマチュア合唱団に、再び貴重な演奏の機会を与えてくださった国際基督教大学の関係者の皆様に、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。曲目は現在、鋭意選定中です。詳細が決まりましたら、随時このホームページで発表致します。どうぞご期待ください。

1年のうちに3回の演奏の機会に恵まれるというのは、滅多にあることではありません。それぞれの演奏会が内容の濃いものとなるよう、努力を重ねて参りたいと思います。どうか本年も当団への変わらぬ御支援御鞭撻をお願い申し上げます。皆様にとりましても2016年が素晴らしい年でありますようお祈り申し上げて、念頭の御挨拶と致します。


2016年1月1日
スコラ・カントールム代表
野中  裕

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