2017年最初の「ご挨拶」が5月となってしまいました。全く余裕のない生活を送っておりますと、自分がどれほど長い期間このホームページから遠ざかってしまっていたのかさえわからなくなります。いつ更新されるのか、きちんと活動をしているのか、とご心配いただいた方には、本当に申し訳なく存じます。今後もこうしたことがあろうかとは思いますが、どうかご理解賜りますようお願い致します。
さて「きちんと活動をしているのか」については、「もちろん、行っております」ということになります。例年より少しペースは落とし気味ですが、2018年2月11日に川口総合文化センター・リリア音楽ホールで行われる第26回定期演奏会に向けて、一通りの譜読みを終えたところです。演奏会の内容もすべて決まり、客演の方々も確定致しました。これについては近日中に当ホームページで詳しく発表致しますが、概要は既に「コンサートのお知らせ・チケット購入」の項に掲載されております。今回は団員の総意により、4年ぶりの「バッハ復活」です。今回は初めて「小ミサ曲」を取り上げます。4曲残っているこのジャンルから1曲を選ぶに当たっては、オーソドックスな編成であること、合唱が大きな比重を持つこと、合唱曲が様式的に変化に富んでいること、という利点を考え、ト長調に致しました。これには「女声2重唱を合唱でやってみたい」という私の意向も大きく関わっております。
さらに当団では初めての挑戦として、ブルックナーのモテットを演奏することになりました。バッハとの関係からメンデルスゾーンとブラームスは何回か取り上げたことはありますが、ブルックナーはこれらと違った独自の世界を持っております。私自身、前回のデュリュフレに引き続き「未知との遭遇」です。ブルックナーを歌い慣れた団員に助けられつつ、勉強を続けております。こうしたことが可能なのが当団の魅力のひとつだと申せましょう(いや、それに甘えていてはいけないのですが)。演奏する曲はラテン語のア・カペラのモテット5曲、いずれもよく知られたものばかりです。こちらも近日中に詳細をお知らせ致します。
もう1ステージは、当団が存続する以上絶対に演奏し続けるジャンル、ルネサンス期の無伴奏宗教曲です。今回はフランドル出身でイタリアで活躍した2人の音楽家、チプリアーノ・デ・ローレとジャケス・ド・ヴェルトを取り上げます。ローレとヴェルトは直接の師弟関係にあったと考えられており、マドリガーレの作曲を得意とした点で同じ特徴を持っております。宗教曲も数多く残しており、今回はそれぞれの名作を3曲ずつ、計6曲お聴きいただく予定です。
第26回定期演奏会については、今後も続報をお伝え致します。当団の今年の活動の柱はもうひとつ、9月30日(土)に稲城市立iプラザで行われる「マーキュリーバッハアカデミー/ミサ曲ロ短調」への参加です。小田透氏指揮、藤崎美苗・渡辺祐介氏の合唱指揮により、当団有志メンバーと渡辺氏主宰の合唱団メンバーが協力し、マーキュリーバッハアカデミー管弦楽団とともに偉大なバッハ作品に挑みます。私は久々にすべての指導的立場を離れ、一合唱団員としてこの曲を歌います(歌うことに専念できるというのは本当に幸せなことです!)。こちらも詳細が決まり次第ご案内致します。
ということで、本当に遅い「新年(度)のご挨拶」です。どうぞ変わらぬ御指導御鞭撻をお願い申し上げます。
2017年5月7日
スコラ・カントールム代表
野中 裕