主宰者(指揮者)ご挨拶


新年最初の御挨拶です。このところ更新が途絶えてしまった当ホームページをいぶかしく思われていた方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。誠に申し訳なく思います。今回の更新遅延については我が身の多忙以外にも様々な要素が組み合わさっておりまして、今後の挽回を期しているところでございます。とはいうものの、更新のペースは今後もそう上げるわけにはいかないものと思われます。「根気よく続ける」ことを目標に頑張りますので、どうか御寛恕くださいますようお願い申し上げます。

さて2月11日の第26回定期演奏会が目前に迫りました。これからリハーサルなどもあり、緊張の日々がまたやって来ることになります。今回客演の皆様をお迎えするのは、バッハの「ミサ曲ト長調」のみではございますが、緊張の度合いはいつもとまるで変わりません。バッハのミサ曲はそのほとんどがカンタータのパロディからなっていますが、それは取りも直さず、バッハが自信を持っていた曲が精選されているということを示します。「ミサ曲ト長調」は全6曲からなり、そのうち合唱曲は半分の3曲を占めております。どの曲も、その充実度が並大抵のものではありません。とりわけ「グローリア」と「クム・サンクトゥ」は器楽との協奏的なフーガが繰り広げられるため、合唱団員は「自分のパートを合わせ」「他パートと合わせ」「器楽とのアンサンブルを意識する」ことが常に求められます。私は団員に「ピアノ・リダクションの楽譜でも大体はわかるけれど、できればスコアを入手して、オーケストラと対話する意識を持ってください」と常々お願いをし、また練習でも「伴奏を聴く、伴奏とフレーズの受け渡しをする」ことを重要視してきました。その成果が、すべてリハーサルで問われてしまいます。誠にシビアな、気の抜けない作業です。

また独唱の2曲も深い味わいを持っております。「グラツィアス」はバスに器楽的なメリスマが登場し、「クオニアム」のテノールは通奏低音および独奏オーボエと親密な対話を交わさなくてはなりません。経験豊かなソロのお二人の歌唱、器楽の皆様の妙技にご期待いただきたいと思います。そして「ドミネ・デウス」はおそらくソプラノ・アルトのソリストによる二重唱が想定されているものと思われますが、今回は合唱団で歌うことに致しました。あまりにも技巧的なパッセージが無く、むしろ両声部の対話の力が求められていると判断したからです。以前にカンタータ第78番「イエスよ、汝わが魂を」を演奏した際にも、第2曲二重唱を当団女声合唱で歌って大変好評を頂戴しましたので、今回もチャレンジしてみよう、ということになりました。こちらも楽しみにしていただきたいと存じます。

この他、ア・カペラによるブルックナー、ローレ、ヴェルトの曲もそれぞれに特徴が顕著で、深い味わいを持っております。演奏会直前まで真摯に練習を重ねて参りたいと思いますので、どうぞ当日は川口総合文化センター・リリア音楽ホールにご来場ください。では更新遅延のお詫びを兼ねまして、御挨拶と致します。


2018年1月21日
スコラ・カントールム代表
野中 裕

このページのトップに戻る