主宰者(指揮者)ご挨拶


またまた、3ヶ月のご無沙汰です。本当に申し訳ありません。ここ数ヶ月、全くの私事ではありますが大きな出来事があり、そちらを優先しなくてはならないような状況に陥っておりました。合唱団のメンバーにも迷惑を掛けたことが多くあるのですが、団員諸氏はそれを甘受してくれたのみならず、自分たちで練習を工夫し、着実に次の演奏会への備えをしてくれました。この場を借りて、心から称賛の辞を送りたいと思います。私は各方面に不義理を重ねてしまいましたが、結果としてはスコラ・カントールムへの影響を最小限に抑えることが出来たのは、不幸中の幸いだと思っております。

従いまして、10月21日に迫った第8回特別演奏会「ヘンデル/メサイア全曲演奏会」に関しましては、何の問題もなく開催にこぎ着けることができそうです。「問題なく」どころか、最近の練習では(当たり前と言えばそれまでですが)ある程度の手応えを感じる瞬間が多く、自信を持って皆様にご披露できる演奏会になると確信しております。どうか皆様お誘い合わせの上、10月21日には是非、石橋メモリアルホールへ足をお運びくださいますよう、お願い致します。

今回の演奏会は、2016年に佐藤雄一氏の指揮で参加した合唱団「ヴォチェス・エクスプレセ」としての全曲演奏、ならびに同年の「国際基督教大学/クリスマス・コンサート」での「第1部」演奏の経験を基に、今持てる力を最大限に振り絞り、私たちとしての最高度の仕上がりをもった「メサイア」演奏を実現する、という、いささか肩肘張ったコンセプトで計画されました。もちろん非力な私の指揮・指導では限界があることはもちろんなのですが、それを補ってあまりある皆様の御協力を頂戴することができました。

まずは、お馴染みの客演の皆様です。コンサート・マスターの大西律子さん、オルガンの今井奈緒子さん、コントラバスの櫻井茂さん(石橋メモリアルホールをお借りするにあたってもご尽力を頂戴致しました)をはじめとする皆様は、「クリスマス・コンサート」で実際に「メサイア」演奏をご一緒しただけでなく、前回の第26回定期演奏会でも共演していただいた方がほとんどです。ソリストも各パートに「クリスマス・コンサート」と全く同じ顔ぶれを揃えた上に、第26回定期演奏会でバスのソリストを務めていただいた松井永太郎さんと、新たにテノールの小沼俊太郎さんを加え、6人体制でこの演奏会に臨みます。「メサイア」で唯一ソロ・オブリガートを担当するトランペットには、引き続き斎藤秀範さんのご出演が叶いました。これだけの贅沢な布陣ができようとは、企画した私自身が全く想像しておりませんでした。

そして特筆すべきことは、再説とはなりますが、英語発音の監修を三ヶ尻正さんにお願いできたことです。今年4月に合唱団員は2回にわたって三ヶ尻さんを講師とする勉強会に臨み、英語の発音について懇切な指導を受けました。未熟な私がそれをどこまで生かせたか、はなはだ心もとないのではありますが、団員は皆三ヶ尻さんの指導を真摯に受け、その後は私とともに発音を意識した練習を積み重ねて参りました。三ヶ尻さんは今般、『ヘンデルが駆け抜けた時代 ― 政治・外交・音楽ビジネス ― 』というご著書を春秋社から出版されました。その研究に基づいて、私たちの演奏会のために、新たにプログラム・ノートも書き下ろしてくださいます。お出でいただく皆様にも、また私たちにとっても、まさしく僥倖ということができましょう。いろいろな方々のお力をもって、1ヶ月後に迫ったこの演奏会は私たちにとっても、今からその日が楽しみなイヴェントとなりました。あとは、私がしっかりとまとめの責任を果たせるかどうか。非常にプレッシャーを感じますが、できる限りの努力を重ねて当日を迎えたいと思います。

今回使用するバージョン等についても、悩みながら一応の結論を出しました。それについては、またこのホームページ上でお知らせしていきたいと思います。チケットのお取り扱いも、ホームページで行っております。席数は500席ほどですので、どうぞお早めにお求めください。それでは皆様、10月21日に石橋メモリアルホールにてお会い致しましょう。


2018年9月16日
スコラ・カントールム代表
野中 裕

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