野中 裕〔指揮者・テノール〕


1966年9月
東京都に生まれる。

1986年4月
早稲田大学第一文学部に入学。バッハの声楽曲を本格的に歌いたいと思ってサークルを探していたら、バッハおよびルネサンス・バロック期の合唱曲ばかりをとりあげる「早稲田大学・日本女子大学室内合唱団」に出会う。「このサークルは君のためにあるようなものだよ」という甘言に乗せられて即入団。

1987年1月
「室内合唱団」の先輩に連れられて、音楽学者の今谷和徳・上尾信也氏らが主宰する「音楽史研究会」に出席する。音楽史研究の基礎のあり方をここで学ぶ。

1988年
「室内合唱団」の学生指揮者を務める。

1988年6月
古楽をそれに適した唱法を用いて専門に扱う合唱団の草分け、「コレギウム・ヴォカーレ東京」(佐藤雄一氏指揮)に入団。ここでの活動を通して椋本浩子・片野耕喜・小原浄二・向江昭雅・諸岡範澄・渡邊順生らの各氏と出会い、さまざまな音楽的刺激を受ける。1994年の解散時まで在籍。

1990年1月
かねてから考えていた「新合唱団」(つまりのちの「スコラ・カントールム」)を創設。

1990年3月
早稲田大学第一文学部を卒業。

1992年9月
タリス・スコラーズ日本公演(招聘:アレグロミュージック)のプログラムに、《「レクイエム」と「タリス・スコラーズ」と私》と題したエッセイを掲載。公的なプログラムへの初めての執筆となる。

1995年4月
放送大学研究生の選考に合格。1年間、同大学助教授笠原潔氏のもとでヨハン・セバスティアン以前のバッハ一族の音楽について研究する。「音楽史研究会」の事務局担当となる(現在まで)。日本音楽学会に入会。

1995年12月
バッハ・コレギウム・ジャパン第22回定期演奏会「バッハ一族のカンタータとモテット」のプログラム解説を執筆。

1996年3月
放送大学に論文「ヨハン・バッハ(1604-1673)研究」を提出、研究生を修了する。

1996年4月
前年のプログラム執筆がきっかけとなり、バッハ・コレギウム・ジャパンのプログラム編集委員となる(〜1998年)。

1996年8月
トン・コープマン指揮・アムステルダム・バロック管弦楽団&合唱団の「バッハ/クリスマス・オラトリオ」(エラート/ワーナーミュージック)のCD解説を執筆。これがCD解説のデビューとなる。

1996年9月
トン・コープマン指揮・アムステルダム・バロック管弦楽団&合唱団の「バッハ/カンタータ全集第3巻」(エラート/ワーナーミュージック)のCD解説を執筆。この後、コープマンのカンタータ全集の解説を毎巻手掛けることになる。

1998年7月
音楽之友社「中世・ルネサンス・バロック音楽集成」の解説と対訳を執筆[共著]。

1998年12月
東京都三鷹市文化財団の招聘を受け、同団主催の「クリスマス・コンサート」の指揮を執り、NHK交響楽団コンサートマスターの篠崎史紀氏と共演する。

2000年6月
フィリップ・ヘレヴェッヘ/コレギウム・ヴォカーレの来日公演にあたり、プログラムの編集に協力。《ヨハネ受難曲》《マタイ受難曲》の解説を執筆し、《マタイ受難曲》の字幕(訳:礒山雅)映写をプロデュース。

2000年7月
『200CD/バッハ名曲・名盤を聴く』(大角欣矢・加藤浩子編/立風書房)を執筆[共著]。

2000年9〜12月
山野楽器の情報誌「ヴァリエ」に「J.S.バッハの声楽曲」を集中連載。

2000年10月〜11月
東京都立高校公開講座「J.S.バッハの音楽世界」を秋川高校にて開講(全4回)。

2000年12月
ヘルムート・リリング監修「バッハ大全集」(ヘンスラークラシック/キングレコード)の日本語解説書の声楽曲分野を執筆。

2001年8月
クリストフ・ヴォルフ/トン・コープマン編著『バッハ・カンタータの世界』翻訳グループに参加、礒山雅氏の指導・共訳のもとに、第1巻を発刊(東京書籍)。

2002年3月
クリストフ・ヴォルフ/トン・コープマン編著『バッハ・カンタータの世界』第2巻[共訳]を発刊。

2002年8月
『バッハ問』(鳴海史生・野中裕・矢口真著/東京書籍)を発刊。

2002年12月
クリストフ・ヴォルフ/トン・コープマン編著『バッハ・カンタータの世界』第3巻[共訳]を発刊。全3巻の翻訳が完結する。

2003年6月〜2004年3月
バッハ・コレギウム・ジャパンの定期演奏会プログラム記事、「BCJ creators」を執筆。今井奈緒子、ゲルト・テュルク、若松夏美、野々下由香里の各氏にインタビュー。

2004年2月
突発性難聴に罹患、その影響で2004年4月よりスコラ・カントールムでの活動を休止する。

2004年10月
スコラ・カントールムの指揮者に復帰。

2004年12月
「200CD/アヴェ・マリア〜宗教音楽の名曲・名盤」(200CDアヴェ・マリア編集委員会編/学研)を執筆[共著]。

2010年11月
初の単著となる『カール・リヒター論』(春秋社)を発刊。

2013年5月
ICU宗教音楽センター第51回公開演奏会「カール・リヒターの遺産」の講師を務める。

2016年11月
「KAWADE夢ムック/カール・リヒター〜不滅のバッハ伝道師」(河出書房新社編)を執筆[共著]。


[2017年1月2日追記]


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