主宰者(指揮者)ご挨拶


9月21日・22日に行われた「第9回特別演奏会」は、初日の日本聖公会聖パウロ教会に約170名、翌日のSDA小金井キリスト教会に約100名もの皆様にお出でいただき、大変充実した演奏会とすることができました。この演奏会に携わっていただいたすべての皆様に、厚く御礼申し上げます。

聖パウロ教会は、私および練習ピアニストの押野見真理さんが、オルガンのレッスンをしていただいている教会です。またSDA小金井キリスト教会は、私がいつもオルガンの練習で使わせていただいているだけでなく、昨年の《メサイア》公演でリハーサル会場としても使用させていただきました。その「御恩返し」と言うにはおこがましいですが、何らかの形でお役に立ちたいとの思いからこの演奏会が企画されました。企画当初はこれだけ多くの方に関心を持っていただけるなどとは思いもよらず、普段は私たちの演奏に触れることのない教会関係の皆様、信者の方々に気楽な気持ちで聴いていただければ良いなと思っておりました。

しかし夏を過ぎるあたりから、団員から「知り合いがみんな行くと言っている」「facebookの反応が異常に高い」などの声が次々と寄せられるようになりました。「ひょっとしたら、教会のキャパシティーを越えてしまうのではないか」「受付を増員しなければまずい」という嬉しい悲鳴があがり、ばたばたと追加の準備を重ねるという事態になったわけです。お出でいただいた皆様を混乱させることなく、何とか無事に運営できてほっとしております。《ヨハネ受難曲》ではテキストの邦訳をプロジェクターを用いて映写しましたが、これが思いのほかご好評をいただきました。今後の演奏会でも検討したいと思います。映写に当たっては、教会の皆様にも快く御協力を頂戴することができました。記して御礼に代えたいと思います。

演奏につきましては、いつものとおり皆様のご批判を仰ぎ、録音を聴いて反省したいと思っております。とりわけ、《宗教的合唱曲集》に関しては、この後6声・7声曲に挑戦して全曲の演奏を貫徹するという目標がございます。どうか忌憚のないご意見をお寄せください。《ヨハネ受難曲》では、福音史家・イエス・ピラトの長大な無伴奏単旋律によるやりとりが多いため、面食らう方がかなりいらっしゃるのではないかと思いましたが、全くの杞憂に終わりました。客席の集中力が一瞬も途切れることがなかったことについては、本当に驚きました。私は指揮と福音史家を兼ねておりましたので、珍しくずっと客席の方を向くことになったわけで、こうした状況に緊張もしましたが、逆に勇気をいただくこともできました(長い長い朗唱の一人旅は、本当に孤独でプレッシャーがかかるのです!)。心から感謝致します。

さて今後の演奏計画ですが、《宗教的合唱曲集》の6・7声曲についてはじっくりと準備を重ね、何とか2021年には演奏会開催にこぎ着けたいと思っております。まずは、当団が母体の一つである「ヴォチェス・エクスプレセ」の第2回演奏会に向けての練習が始まります。開催日は2月2日(日)、場所はかつしかシンフォニーヒルズモーツァルトホールです。オーケストラは「サンフォニア・ドラマティーク」の皆さん、指揮はもちろん佐藤雄一さんで、シューマンの《マンフレッド序曲》《ミニヨンのためのレクイエム》《夜の歌》と、ブラームスの《悲劇的序曲》《運命の歌》《悲歌》《埋葬の歌》を演奏致します。開演時間・チケット料金等につきましては、確定次第このホームページでもお知らせ致します。この演奏会につきましては、「サンフォニア・ドラマティーク」のホームページをご覧ください。

それでは、今後の「合唱団スコラ・カントールム」および「ヴォチェス・エクスプレセ」の活動に暖かいご支援をお願い申し上げます。第9回特別演奏会の無事終了に御礼申し上げて、ご挨拶と致します。


2019年10月2日
スコラ・カントールム代表
野中 裕


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